音楽の力、名曲誕生の秘密。 – 映画『ジャージー・ボーイズ』感想。

(2015-01-23追記)文末にiTunesStore、Amazon.co.jpのリンクを追加。

映画『ジャージー・ボーイズ』鑑賞。

きっかけは、赤坂泰彦さんが推してたから*1。でも最寄りのシネコンではかかっておらず、ちょっと足を伸ばして倉敷まで観に行ってきた。

その甲斐があった。大人のための素晴らしい音楽映画。

確かに聞いたことあるぞ。

実在のバンド「フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ」を題材にしたブロードウェイミュージカルは2005年開幕。今回の映画はそのミュージカルの映像化作品*2とのこと。

メンバーはフランキー・ヴァリ、ボブ・ゴーディオ、ニック・マッシ、トミー・デヴィート……。音楽、特に洋楽に疎い僕は、名前を聞いてもピン来なかった。1960年代に活躍したバントということはビートルズと同じ頃?*3

でも曲を聞けば、なるほど知っていた。

僕でも聞いたことあるヒット曲「シェリー」(1962年)Sherry。この曲がかかるまでの映画序盤は地味な展開だったが、その後はラジオで聴いたことがある曲も出てくるなど、盛り上がってくる。まるで世代が違う僕でも音楽にノッていけた。曲の良さは当然だが、演者の歌唱や映像の編集に引き込まれる。

あの曲の歌声にのった想いを知る。

この映画では数々のライブシーンが登場するが、なかでも一番心を揺さぶられたのはこの曲。

「君の瞳に恋してる」(1967年)Can’t Take My Eyes Off You

あまたカバーされている*4甘いラブソング、と思っていた。だが、この映画で描かれる意外な背景。いままで僕が聞いてきた曲とは全く違うと愕然として、打ちのめされた。フランキー・ヴァリの想いにグッとくる。この映画のなかの一番のライブシーン。

監督の演出、音楽愛。

クリント・イーストウッド監督の映画*5は、そのストーリーテリングにじわりと引き込まれていく。派手ではなく控えめな演出が僕は好きだ。決して語りすぎず、しかし心情は伝わってくる。

変わった演出としては、冒頭から登場人物が自分に話しかけてきて、なんだこりゃ?だったけど、これは舞台劇ではよくある演出なのかな?それがリズムを生み出し、また最後でとても効いてきた気がする。

そして何より音楽シーンの作り込みと迫力。監督が抱く音楽への愛情とこだわりをビジビジ感じさせる。ただ聞いたことがある、という曲が奥行きを持って味わえるようになった。

音楽の力強さ、人生の味わい。

音楽によってもたらされる夢、成功、裏切り、栄光、挫折……4人のメンバー間の友情や嫉妬や憎しみの入り混じった何ともいえない絆。そして、映画終盤に交わされる短い会話と抱擁のシーンがとても素敵で、スクリーンを見つめながら僕は思わずうなずいていた。

見事なフィナーレ、そして最後にこれはミュージカルだったのだな、と思い出された。ミュージカルにアレルギーのある人も安心して鑑賞できる。人を突き動かす音楽の力と、音楽がつなぐ絆、人生の味わいを教えてくれる傑作。しばらくはこれらの曲を口ずさむ日が続くかもしれない。

(2014-10-13追記)iTunesのアルバムへのリンクを追加。

映画『ジャージー・ボーイズ』オフィシャルサイト
(2015-01-23追記)いよいよ自宅で鑑賞できるように!
▼iTunesStore – HD、SD選べるけど、大きなテレビならぜひHDで。

▼Amazon.co.jp – ブルーレイ&DVDセット。

*1:実は記憶があやふや、スミマセン。たぶん毎週聴いているNHK-FMの番組「ラジオマンジャック」だったかと。番組ホームページのこれまでの放送によると、2014年8月30日(土)放送でMy Eyes Adored You / Frankie Valliが流れているのでこの時だと思うのだけど……。

*2:ちなみに、僕がはじめて見たミュージカル映画はこちら。

両親が若い時に映画館で見たらしい。僕は小学生ぐらいの頃に両親と一緒にビデオで何度か見たような記憶あり。
そして最近見たのは例のアレ。


いままで映画じゃない舞台のミュージカルは一度も観たことなくて、いまさらだけど体験してみたくなってきた。

*3:といっても、ビートルズに詳しいわけじゃないけど。いちおうiTunesライブラリに赤盤、青盤は入っているくらい。最近行ってないけど、
コムサイズムでは今でもビートルズかけてるのかな?

*4:ウィキペディアに載っている「カバーしたアーティスト」だけでも、その数は62組にものぼる。

君の瞳に恋してる – Wikipedia

*5:彼の監督作のうち、僕のお気に入りはこちら。

2013年に亡くなったネルソン・マンデラ氏の伝記的映画。南アフリカ代表ラグビーチームが自国開催されたラグビーワールドカップに挑むストーリー。描かれる時期はマンデラ氏の人生の一時期だが、彼の凄さを思い知らされる作品。と同時に描き切った監督の凄さを感じた。感動と勇気をもらえる傑作。