J2岡山でも「フライデーナイトJリーグ」、しかし思わぬ展開 - 2018 J2第15節ファジアーノ岡山vs東京ヴェルディ 観戦

1993年に始まった日本のプロサッカーリーグ「Jリーグ」。今年(2018年)は25周年。

今シーズン、「より多くの人に観戦を楽しんでもらうために新たな試み」として、平日金曜日の夜に試合を開催する「フライデーナイトJリーグ」が実施されている。

それは、Jリーグが考えるスポーツ観戦を交えた新たな金曜の夜の過ごし方。
貴重な土日の時間をサッカー観戦には費やせないすべての人のための、新しいライフスタイルの提案です。
これからは、心置きなく楽しめる仲間との飲み会やデートはぜひスタジアムで!
明治安田生命Jリーグ フライデーナイトJリーグ- 金曜の夜にサッカー観戦をしながら飲み会やデートをする新しいライフスタイル -:Jリーグ.jp

公式サイトではJ1の試合がフィーチャーされているけど、実はJ2でも平日金曜日開催はある。

それはまさに僕の地元岡山のJ2クラブ・ファジアーノ岡山のホーム戦で。2018年5月18日の金曜日19時キックオフで、J2第15節ファジアーノ岡山vs東京ヴェルディ戦が、岡山市北区のシティライトスタジアム(Cスタ)において開催された。

「週末にサッカー観戦ができないすべての人へ。」というキャッチフレーズがついているけど、まあ僕は仕事を片付けて「金曜日」だろうが「週末」だろうが、同じようにスタジアムへ向かうのである。

雨予報は当たってしまう

▼しかし、雨雲レーダー予報画像どおり、17:30頃(キックオフ1時間半前)には雨が降り出してしまった。

Jリーグキングさん、来る!

初の金曜日夜開催のこの日、Cスタにビッグゲストが。

おお、来ないでJ2さんJリーグキングさんがJ2ファジアーノ岡山の試合に来てしまう!

▼Jリーグキングさんは、25年前に国立競技場で誕生した!1

1993年5月15日に行われたJリーグサントリーシリーズの開幕戦・ヴェルディ川崎vs横浜マリノスの試合前セレモニーで、Jリーグキングが国立競技場のピッチからむくむくと誕生!

日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が開幕した1993年、僕はちょうど高校を卒業し大学生になりたての頃。生まれ育った岡山を離れて大阪にいた。Jリーグの華々しいスタートの雰囲気はもちろん知っていたけれど、個人的には正直なところ「東京あたりでやってること」「テレビの中でやってること」みたいな印象だった。

でも同じ年、ワールドカップへ初出場を目指していたサッカー日本代表の試合はテレビでガッツリ観ていた。Jリーグ発足の狙いとして「日本のサッカー水準の向上」もあったけど、残念ながらこの年あの「ドーハの悲劇」。センタリングに足を伸ばすカズ(三浦知良選手)、ゴールに吸い込まれるボール、サイドラインで崩れ落ちるゴン(中山雅史選手)という一連の映像は、よーく憶えている(後から何度も流された映像が刷り込まれたのかもしれないけど)。

あれから25年たった今年2018年。プロスポーツなど存在しなかった岡山に、今はJリーグクラブ・ファジアーノ岡山があり、僕自身もホーム戦にはスタジアムでサッカーを観るようになった。サッカー日本代表はアジアの強豪国となって当たり前のようにワールドカップに出場するようになった。変わるものだなと(一方で、カズさん・ゴンさんは2018年にまだ選手をしているという……)。

そんなJリーグ25周年の年に、かつてJリーグ開幕戦を戦った「ヴェルディ川崎」、現在はホームタウンが変わって「東京ヴェルディ」となったけど、その同じクラブが、僕が生まれ育った地元・岡山にやってきてることは、本当に感慨深いこと。

▼Jリーグキングさん、Cスタ到着早々に発見!

▼ファジ丸さん(推定13歳)、Jリーグキングさん(推定25歳)の両者に挟まれて、はしゃぐ43歳のオッサン。

何かとスペシャルな金曜日開催

▼平日夕方の地上波ローカルテレビ局(KSB瀬戸内海放送)2の番組でスタジアム前広場から生中継もあったようで。その後ろを通りかかる別のローカルテレビ局(OHK岡山放送)3のクルーが覗く場面も。

▼会場に流れる音楽もいつもと一味違う選曲

▼「消費者被害撲滅デー」は毎年やっているけど、人選が毎回スペシャル

▼いつもより長めの文字パネル「NO CONSUMER DAMAGE」。岡山県のマスコット「ももっち」さん、「うらっち」さんも。

ファジフーズは「お酒によくあう一品バトル」

雨のなかでキックオフ

先制されて臨んだ後半にまさかの体験

▼20分、東京Vのロングスローから藤本選手にゴール決められ先制されてしまう。

▼このまま前半0-1で終了。

スコア ファジアーノ0-1ヴェルディ

▼ハーフタイムには、公募された「フリーキックの名手、集まれ!」イベント。ペナルティアークから蹴って、ゴール隅のフラフープを通すというチャレンジ。クリアするとファジアーノの練習ウェアがもらえるらしいけど……

フリーキックの名手、集まれ!

挑戦前にインタビュー
挑戦前にインタビュー
ゴール裏から観たチャレンジの映像。ゴール左右隅にフラフープを設置。
ペナルティーアークからボールを蹴って、ゴール左右上隅のフラフープを通すチャレンジ

残念ながら3人の挑戦者はいずれもクリアならず。厳しいコンディションの中、果敢なチャレンジに場内から拍手が送られた。

そして、ハーフタイムを終え、試合は逆転を目指す後半へ。

しかし、さらに雨が激しくなってきた。

17分に岡山がコーナーキックを獲得したところで、落雷の危険があるため試合中断。屋根のないバックスタンドなどのお客様は屋根のあるコンコースなどへ避難。

雨雲レーダーにはヤバそうな雲が……。メインスタンドの屋根をうつ雨音が一層激しく、屋根のない座席のには滝のように水が流れ、雷鳴が轟き、近くに落雷があったような大きな音も。Cスタで体験したこと無いタフな非常事態に。

それでも、場内のアナウンスやビジョンでの案内や、運営スタッフの皆様の誘導もしっかりされていたようで、僕が目にした限りは観客の皆様もパニックなく冷静に行動していたように思う。

20:40現在の雨雲レーダー画像
20:40現在の雨雲レーダー画像
21:00の予測雨雲レーダー画像
21:00の予測雨雲レーダー画像

初体験、試合中止と再開試合

というわけで、僕は今回初めて「試合中止」をスタジアムで体験した。天候不順の異常事態なので多くの人が大変な思いをしてしまったけど、個人的には貴重な体験として記憶に残りそう。

▼再開試合は残り時間を後日開催。つまり東京ヴェルディの皆様には、残り30分のために再び岡山にお越しいただくことになってしまいました。

▼後日、再開試合の詳細が発表された。約30分のみの試合もこれはまた稀な体験になりそう。

2018明治安田生命J2リーグ第15節 ファジアーノ岡山vs.東京ヴェルディ 再開試合の詳細について | ファジアーノ岡山 FAGIANO OKAYAMA

■再開試合について
 日時:2018年6月27日(水)19:30キックオフ
 試合会場:シティライトスタジアム

■再開方法
 試合を中止した時点の62分(後半17分)からとし、ファジアーノ岡山のコーナーキックにて再開

いきなりコーナーキックからの再開ということで、スペシャルなプレーでいきなり同点に追いついてほしい!

0-1ビハインドからの再開だけど、追いついて引き分けなら勝点+1、逆転勝利なら勝点+3なので、しっかり前向きに考えたい。

中盤戦

J2リーグ戦全42試合のシーズンを序盤・中盤・終盤に分けるとしたら、第15節は中盤戦のはじまり……のはずだったけど、試合中止で続きは6月27日に持ち越し。

中止のあと、次の試合となったのは5月27日(日)に行われた第16節アウェイvs町田ゼルビア戦。これは見事に岡山が3-1で勝利。試合後の長澤監督が「中盤戦の初戦」とコメントしていたように、ここで勝ててほんとに良かった!

いろんな部分で中盤戦ということで14試合に区切ってやっているが、前回の東京ヴェルディ戦がまだ勝負がついていないので、ここが中盤戦の初戦。
J2第16節 FC町田ゼルビア戦 監督・選手コメント | ファジアーノ岡山 FAGIANO OKAYAMA

この結果、1試合消化が少ない状態で、岡山は首位との勝ち点差3の暫定第4位に。

第16節終了時点(5月27日) J2順位上位6クラブ

順位 クラブ名 勝点 試合数 得点 失点 得失点差
1 大分トリニータ 31 16 9 4 3 31 23 8
2 レノファ山口FC 31 16 9 4 3 30 23 7
3 アビスパ福岡 29 16 8 5 3 25 16 9
4 ファジアーノ岡山 28 15 8 4 3 18 11 7
5 横浜FC 27 16 7 6 3 22 19 3
6 FC町田ゼルビア 26 16 7 5 4 28 21 7

「勝負がついていない」第15節の東京ヴェルディ戦の結末も気になるけど、その前にリーグ戦は続く。

次のホーム戦は6月2日(土)vsモンテディオ山形戦。オーケストラが来たり、元ファジアーノ岡山のあの人たちがやってきたりと盛りだくさんみたい。

【6月2日モンテディオ山形戦】イベント情報のお知らせ | ファジアーノ岡山 FAGIANO OKAYAMA

僕はまた「週末」も、スタジアムに行ってしまうんだよね。


  1. ちなみに、1993年のJリーグ開幕戦セレモニーでも流れている聞き慣れたこの曲「J'S THEME(Jのテーマ)」は、今年25周年記念版が配信・販売されているよ。

  2. KSB瀬戸内海放送は、岡山・香川を放送エリアとする地上波ローカルテレビ局。

    この日のCスタ試合前のスタジアム広場前の模様は、平日夕方の「KSBスーパーJチャンネル」という番組内の「たが金中継」というコーナーで生中継されていた。アナウンサーの多賀公人さんと信長ゆかりさんの姿も。

    同番組内の毎週金曜日には、ファジアーノ岡山応援番組「CROSS POINT(クロスポイント)」 というコーナーもあって、選手のインタビューなど伝えてくれている。

    個人的な高評価ポイントは、「信長ゆかりさん、かわいい」ということである。twitterやInstagramも要チェックなのである。

  3. OHK岡山放送は、岡山・香川を放送エリアとする地上波ローカルテレビ局。

    OHKでは、毎週土曜日に放送の地元アスリート・スポーツの情報を伝える番組「スポeもん」のなかで、ファジアーノ岡山応援番組「ファジ☆スタ」をしてくれているのをはじめ、ファジアーノ岡山のホーム戦を地上波テレビで地元向けに生中継してくれることもある。

    「ファジ☆スタ」に出演しているOHKアナウンサーの堀靖英さんは、ファジアーノ岡山の試合日にはスタジアムで取材されていたり、OHKによる生中継時には実況を担当されたり、試合前のファジステージでゲスト解説者とのトークショーに登壇されたりでお馴染み。

    FacebookページやInstagramでの発信も。

    ▼昨年(2017年)の第10節vs湘南戦で、OHK岡山放送による試合の生中継と試合前のトークショーが行われた。

    伊達男が来た肉の日は湘南の風が強くて?完敗 - 2017 J2第10節ファジアーノ岡山vs湘南ベルマーレ 観戦