「愛」が試される夏が来た。
J2リーグ戦中盤は、体力的にも厳しい夏の季節。昨年は夏場に失速したファジアーノ岡山にとって、ここをいかに乗り越えるか問われる。サポーターにとっては、苦しい時期に「愛」を注ぎ続けられるか試される。
2016年7月16日土曜日。前節アウェー戦で久々に黒星だったものの第4位を維持したファジアーノ岡山が、首位の北海道コンサドーレ札幌を迎え撃つ、J2リーグの上位対決の日。
前回記事でも紹介した、キャプテン岩政選手のブログ記事「岡山の皆さんへ」では、次のように呼びかけられた。
スタジアムに足を運ぼうか迷ったときは、どうか一歩を踏み出して下さい。その一歩が私たちの一歩になります。一言でも私たちに声を届けてください。その声が私たちの力になります。
この日は果たしてどれだけの人が「一歩」を踏み出し、力を与える「声」が増えたか。いわばファジアーノへの「愛」をシティライトスタジアム(Cスタ)へ集めることができたか。そして、大事な試合結果はどうなったか。
梅雨真っ最中の岡山へようこそ。
▼梅雨のない北海道から、ようこそ梅雨の岡山へ。
▼いつもの奉還町商店街の順位表示。なんか斜めに傾いているように見えるけど、右肩上がりなのでOK!
▼まだ梅雨時期の蒸し暑く変わりやすい天気が続くなか、大事な試合当日は青空も見えて雨は降らずに済みそう*1。
ファジフーズ。
▼「フーズバトル〜「北海道」対決」ということで、豪華メニュー勢揃い。
▼「北海道海鮮ピラフ」。実は、今日は入場開始前に購入。
▼海鮮の具だくさん、結構ボリュームあった。
先行入場前に #ファジフーズ 「北海道海鮮ピラフ」を先行摂取 #fagiano #consadole
▼キックオフ1時間前、案の定ファジフーズブース前は大賑わい。
「岡山県インターハイデー」。高校生入場無料!賑やかなスタジアム前。
この日の試合は「岡山県インターハイデー」。7月28日から8月20日の期間、中国地方5県を舞台に開催される「2016 情熱疾走 中国総体」(平成28年度全国高等学校総合体育大会=高校スポーツの全国大会、いわゆるインターハイ)にちなんだ名称。この日はCスタでは高校生を主体としたイベントが多数開催されるほか、岡山県内の高校生は生徒手帳を提示するとスタジアム入場が無料になる。夏休みに入ったこともあり、多くの来場が期待される試合になった。
▼岡山駅でも柱巻きの看板で「2016 情熱疾走 中国総体」が多く並ぶ。
▼岡山駅西口のビルでも、ファジアーノの幕と並んで、大きくインターハイの告知掲示。ほかにも街中で目にする。
▼そしてファジアーノ岡山として初の試み、高校生無料招待!
▼いつもより多くの来客が見込まれるこの日、入場開始10分前(16:35頃)。11,000人超えした第21節清水戦と同じくらいシーズンパス先行入場列が伸びている。ちなみに一般チケットの入場列はいつもより多い感じ。
▼本日は高校生によるイベント盛りだくさん。
▼キーホルダーづくりコーナー。
▼高校生チケット引換ブース。横にはオリジナル商品販売ブースも。
▼高校生の元気な売り込みの声で、いつも以上に華やいだ雰囲気のスタジアム前。
▼暑い夏、小学生以下の子どもに嬉しい「ウォータースライダー」登場。この日は「ファジ縁日」も。「ファジ丸ふわふわ」も健在。
▼スタジアム内コンコースでは「仮面ライダーゴースト」さんと握手&写真撮影会(小学生以下対象)。
▼キックオフ2時間前(17:00頃)のスタジアム前広場。奥に「ファジ丸ふわふわ」、手前にファジ丸さん本体。
TSCさんが地上波テレビ中継。
この日は地元岡山の地上波テレビ局・TSCテレビせとうち(テレビ東京系列)さんが試合を生中継。今シーズンは第3節京都戦でも中継してくれたのだけど、その時は日曜日の13:00キックオフ。でも今回は19:00キックオフで、まともに土曜日のゴールデンタイムなんだけど、地元J2クラブを応援する思い切った編成にチャレンジしてくれた。特設サイトでは宣伝担当のミヤタさんによる選手インタビューや、TVhテレビ北海道とのコラボ企画など、力が入っている。
▼ファジステージでは高校生の書道パフォーマンス前に、「TSCトークショー」。
▼TSC宣伝担当のミヤタさん*2も活躍。
▼今回中継で解説の元日本代表DF・名良橋晃さん*3と実況の野村 明弘さんによるトーク。家族へのお土産は「きびだんご」に加えて、今回は「大手まんぢゅう」も買う模様。
▼もちろん試合の戦前分析や、名良橋さんにとって鹿島の後輩「岩政大先生」のブログネタも。予定時間を超えるトークで、ミヤタさんが止めに入ってしまう。後のステージがあるので仕方ない。
▼ちなみに、ファジステージ付近でTSCさんで絶賛放送中『妖怪ウォッチ』クリアホルダーが配布された。挟まれていたTSCタイムテーブルには我らがあさみんさんのお姿も。
書道パフォーマンス by 岡山東商業高校書道部。
TSCトークショーに続けて、ファジステージでは岡山県立岡山東商業高等学校の書道部による書道パフォーマンス。映画*4で取り上げられて、何となく知っていたけど、直接観るのははじめて。
▼袴姿の女子校高校生たちが、音楽に合わせて踊りながら、巨大な紙に筆を走らせる。
▼複数人で同時に書がしたためられる様が面白い。
▼1つ目の作品「飛翔」完成!かっこいい!
▼2つ目のパフォーマンス前に、急遽サプライズゲストとして2選手が登場。ファジアーノ岡山キャプテンの岩政選手と岡山東商業高校出身の宮本選手が登場!これから書く言葉は岩政選手からのリクエストによるものだという。
▼数文字だけ書いたところで踊りパートになって、何だか焦らされている感じ。はやく続きを知りたい、レイザーラモンRGさんの「あるある」でなかなか言わない感じ?
▼2つ目の作品完成!岩政選手が選んだ言葉は「愛」!そうだ、恐い顔してても「愛」大事!
この「愛」をリクエストしてパフォーマンス見届けた岩政選手の感想は、ひたむきにがんばる書道部の女子高校生に、まだ小さな自分の娘の将来を重ねあわせて感動したとのこと。
岩政選手の感想は、娘を持つ父親としての僕の気持ちを正に言い当ててくれていて、大いに共感した*5。そこに残された作品よりも、その生き生きと躍動する彼女たち自身の姿や表情にこそ、心を動かされる。
▼最後に作品前で記念撮影。岩政キャプテンのハートマークに温かい笑いが起こる。
残念ながらイベントの時間帯が重なって観られなかったけど、フィールド内では岡山県立総社南高校のダンス部によるパフォーマンスも披露した。日頃取り組んでいることを、これだけ多くの人の前で発表できるのはとても素晴らしい経験になったと思う。
高校生の皆さんに伝えたい。君たちがひたむきに取り組む様子は、大きな舞台で出来るとは限らないけど、きっと誰かが見ている。書道でも、ダンスでも、ものづくりでも、スポーツでも、勉強でも、アルバイトでも、遊びでも。思いっきり自分たちの青春を生きてほしい。自分たちでは感じられないかもしれないけれど、その姿は結果としてどこかの誰かを励ましているんだよ。まあこれは、おじさんの勝手な想いなんで、そんなのは無視して、好きなことをノビノビやってね。
いよいよキックオフ!
とうとう迎える19:00の運命のキックオフ。この試合に臨むファジアーノ岡山は実は苦しい陣容。
守備の大黒柱・センターバックとして絶大な存在感を持っているキャプテン岩政選手が、前節に警告(イエローカード)を受けたために累積警告4枚で今節出場停止。さらに、今シーズンチーム最多9得点をマークしているFW押谷選手が前節怪我の影響かベンチ外。
勝ち点7差の首位の北海道コンサドーレ札幌との対戦は勝っておきたいが、いつもどおりのサッカーは難しい状況かもしれない。
▼札幌サポーターも大勢スタンドを埋めてくれた。
▼スタジアム全体的に、椅子のあるところはほぼ埋まったか。これは入場者数発表にも期待が高まる。
▼バックスタンドの緩衝地帯近くもビッシリ!
▼緊張感ある試合はスコアレス0-0で前半終了。
▼ハーフタイムには高校生が爽やかにインターハイ告知。
▼そのすぐ横で、札幌のリザーブ選手がパス回ししているのが気になる。
▼一方、今日のハーフタイムのファジ丸さんは、仮面ライダーゴーストさんに、パイプ椅子を使った飛び方を教える。このあと、お互い華麗なローリングキックを披露しあうイチャイチャぶり。
ここまで前半の試合はお互いに守備が堅く、相手の効果的な攻撃を許さず。岡山としては、矢島選手からのパスに豊川選手が飛び出すも、決まらず。後半に入ってもお互い無得点のまま試合が続く。
▼期待の入場者数は第21節清水戦を越える13,304人!今シーズン最多、クラブ史上3番目!これで今シーズン平均入場者数8,991人。
▼試合の最終盤、大観衆からの手拍子で後押しするも得点は奪えず0-0スコアレスで終了。
▼大黒柱とエースを欠くなか、札幌相手に負けなくてよかった。でも、せっかくこれだけ大観衆になったのだから、勝利の歓喜、せめて得点シーンの興奮を味わいたかったかな……
▼この日、キャプテンマークをつけた竹田選手のコメントにも悔しさがにじむ。
J2第23節 北海道コンサドーレ札幌戦 監督・選手コメント|ファジアーノスタッフのブログ
今日は札幌だったが勝てる力は今の岡山にはあると思うで、勝点差を考えても1では物足りなく、勝点3が欲しかった。
次節は中3日で横浜FC戦。
第23節を終えて、引き分けた北海道コンサドーレ札幌は勝ち点47で首位を維持。しかし、松本山雅FC、セレッソ大阪ともに勝って、勝ち点47となり得失点差で第2位、第3位と続いている。ファジアーノ岡山は引き分けで勝ち点40として第4位を維持。首位と引き分けて話されはしなかったが、勝ち点差7はそのまま。第3位との差は開いてしまい、第5位に清水エスパルス、第6位に京都サンガFCが勝ち点差2で迫っている。
すぐに次節の試合が控えている。中3日でホームに横浜FCを迎える。ここで勝って上位に食らいついていかねば。
そして、シーズン平均入場者数1万人を目指すChallenge1としても、この時期にガッチリ集客を維持したいところ。指定席は既に完売。平日夜だけど、1万人超えを期待したい。
札幌戦で来てくれた人、特に高校生無料デーをキッカケで来てくれた人たちに、もう一度来てもらい、今度こそゴールの興奮、勝利の歓喜を味わって欲しいんだなあ。高校生は前売券なら600円だよ。
対戦相手の横浜FCでは、キングカズこと三浦知良選手が最近は先発していることでも注目。ファジアーノ岡山の長澤監督(48歳)よりも年上の49歳でありながら、現役Jリーガーを続ける日本サッカー界のプレーイングレジェンドを、もしかしたら生で観られるかもしれない。
そして、あのJリーグ女子マネージャー・佐藤美希さん(通称:サトミキ)も来場してくれるよ。
来週7/20は明治安田生命J2リーグ第24節「ファジアーノ岡山×横浜FC」の試合に行きます!!お仕事終わりや学校終わりにスタジアムに来てねー❤️
— 佐藤美希 (@sato_miki626) 2016年7月14日
【7月20日横浜FC戦】イベント情報のお知らせ | ファジアーノ岡山 FAGIANO OKAYAMA
試合前のファジステージに登場して、写真撮影会やトークショーもあるとか。平日だけど、僕は用事を済ませて早めに会場入りして、写真撮影会(先着30名)整理券を得るために並んでいるかも。
まだまだ夏本番はこれから。J2シーズンも苦しい夏場に入るけど、スタジアムに行ってチームを後押ししよう。まだまだJ1昇格の戦いは続く。ファジアーノ岡山以外の上位チームはJ1経験チームばかりだけど、岡山のみんなでちょっとずつ「愛」を持ち寄って、地元にJ1チームを誕生させよう。そうすれば、毎週テレビのスポーツニュースで「岡山」を見られるよ。
今回はじめてスタジアム観戦やテレビ観戦した人に、少しでもファジアーノ「愛」が芽生えて、育ってくれていたら嬉しいな。
*1:当初週間予報で雨マークがついてたけど、2日前にはくもりマークに持ち直していた。
7/16土曜日、週間予報で雨マーク消えた。「雨降らなさそう」という予報が大事。#fagiano #Challenge1 #ファジアーノ #岡山 #consadole #北海道 #コンサドーレ #札幌 pic.twitter.com/ReauOQEN05
— 石原 健一郎 (@ishiharaken) 2016年7月14日
*2:見覚えのある方もいるかも。かつて存在したTSCの情報番組『にじどこ』のタミヤさん(元・タミヤ?)。このたびは馴染みのないサッカー企画お疲れ様でした。
*3:前回中継のあった第3節京都戦に続けてCスタへご来場。
*4:書道パフォーマンスを題材にした映画『書道ガールズ!!私たちの甲子園』(2010年)。愛媛県四国中央市にある、実在の愛媛県立三島高等学校書道部がモデルになっている。ちなみに四国中央市は製紙・紙加工業がさかんな「紙のまち」でもある(紙製品の工業製造品出荷額が全国1位)。
*5:父と娘の「愛」といえば、僕の大好物SF映画『インターステラー』でもテーマのひとつだった。「愛」は時空をも超える。どんな形になって時間や空間を超えているのか、ぜひ映画で確かめてみて。