ファジ幼年期の終り、ホーム戦の始まり - 2018 J2第2節ファジアーノ岡山vs栃木SC 観戦

サッカーJ2のファジアーノ岡山は、2018年2月25日(日)の第1節、アウェイで徳島ヴォルティスに対して1-0で完封勝利1。幸先良いスタートで気分良く1週間を過ごして、3月4日(日)のホーム開幕戦へ向けて備えるはずだった……

「幼年期の終り」か

シーズン開幕戦に勝利した2日後、2月27日(火)にファジアーノ岡山から衝撃のニュースリリースが。株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブ(=ファジアーノ岡山の運営会社)の代表取締役である木村正明さんが3月に退任し、Jリーグ専務理事に就任するという。ファジアーノ岡山のファン・サポーターにとっては、言わずと知れたカリスマトップだった木村代表がクラブを去ることになる。

▼記者会見内容(公式サイト)

ファジアーノ岡山 新経営体制 記者会見 | ファジアーノ岡山 FAGIANO OKAYAMA

▼各種報道記事、動画

ファジ木村代表「複雑な思い」 岡山で会見、熟考しJ専務理事決断 : 岡山: 地域: 山陽新聞デジタル|さんデジ

J2岡山の敏腕社長がJ専務理事に。仰天人事から見える村井チェアマンの青写真 | フットボールチャンネル

Jリーグ専務理事への大抜擢…岡山、木村代表「一番大切にしてきたことは、岡山バカであること。」 | ゲキサカ

この件はファジアーノ岡山を応援してきた僕にとって大きな衝撃。なぜならば、僕がファジアーノに惹きつけられた理由は、木村代表が語ってきた「夢」を一緒に追いかけたい、共に歩んでいきたいと思ったからだ。

プロサッカーチームを応援していれば、選手の移籍とか監督・スタッフの交代ということは当然起こる。それはもちろん寂しくはあったが、「プロだから当然だろうな」と受け止めてきた。たとえクラブを去る選手やスタッフがいても、ファジアーノのアイデンティティとかDNAとかは、「木村さんがいれば大丈夫」という想いを抱いていた。成績云々よりも、ファジアーノの理念や目指す姿はブレないと信じられたから。

もちろん、いつかは木村代表がクラブを去る日が来ることは理解していた。しかし、今だとは思わなかった。既にリーグ戦が始まってからの突然の新体制発表に、僕は正直激しく動揺し、2月25日開幕戦勝利のウキウキが吹っ飛んだ1週間だった。

それでも、木村代表が会見で語ったことばを繰り返し読んでいると、僕はこのように考えるようになった。これはファジアーノ岡山にとって「幼年期の終り(Childhood's End)」2かもしれない。

つまり、クラブ・ファン・サポーター・地域社会が、木村代表という稀代のカリスマ経営者の下で歩む時代は終わり、次の段階への一歩を自分たちの足で踏み出す始まりに立っているのではないかと。

僕は前回記事の最後に予告したとおり、今年はじめてのスタジアムでの観戦をしてきた。正直なところ、まだ衝撃ニュースに気持ちの整理がついていないけど、まあ進むしか無いでしょ。

晴天、岡山3-0栃木で完勝、入場者数9,291人

2018年3月4日(日)14時キックオフ、シティライトスタジアム(Cスタ)での今年のホーム戦の始まり、J2第2節ファジアーノ岡山vs栃木SCを観戦してきた備忘録として。Twitterのつぶやき中心で。

入場者数は9,291人
入場者数は9,291人

「100年続くクラブのDNAのために。」

というわけで、進み続けよう。Challenge1、そして日本一のクラブへ3


  1. この試合当日、僕はダラダラ仕事しながらインターネットでチラチラ速報をチェック。結果に浮かれてニヤニヤしてた。

  2. この表現はSF小説『幼年期の終り』の題名から借りた。この作品に登場する「地球人」と、人類に変化をもたらす「オーバーロード」との関係が、ファジアーノを媒介した岡山県民と木村代表の関係に重なるように思えたから。ただし、木村代表の振る舞いは、この作品に登場する「オーバーロード」とは全く異なるのであしからず。実際の木村代表は地道に泥臭いやり方で変革をもたらした。

    イギリス出身のSF作家・クラークの代表作『幼年期の終り』(1956年)では、20世紀の米ソ対立の地球に、突如やってきた「オーバーロード」は姿を見せず電波で呼びかけきて、以後数十年に渡って地球を間接的に管理して、人類に変化をもたらすというストーリー。

    ▼ハヤカワ文庫版『幼年期の終わり』(福島正実訳、1979年)。

    ▼光文社文庫の新訳版(池田真紀子訳、2007年)は、著者クラーク自身によって書き直された変更を反映したもの。

  3. 木村さんが常々語っていたクラブの目標は、「J1昇格」ではなく、「日本一のクラブ」だった。

    それは、成績が良いことではなく、ファジアーノが岡山にとって誇れる文化になることだと思う。

    ▼2016年にJ1昇格プレーオフ出場を決めたあとに行われた、宇都宮徹壱さんが木村代表へのインタビュー。

    ファジアーノ岡山の木村正明代表が語る「J1昇格」よりも大切なこと<1/2>=宇都宮徹壱WMより転載(宇都宮徹壱) - 個人 - Yahoo!ニュース