JMOOC公認 gacco「インターネット」講座の最終課題を提出した件。

photo by mathplourde

ふぅ〜、終わった。

日本時間2014年6月25日早朝、サッカーW杯ブラジル大会における日本代表の戦いが終わった。リアルタイムでテレビ観戦。決勝トーナメント進出の可能性を残して臨んだリーグ最終戦。先制点を奪われたが前半終了間際に同点に追いつき、裏ではギリシャが1点リードというアツい展開だったけど、最終的に日本は1−4で敗退決定。残念、でもワクワクさせてもらったよ、ありがとうザックジャパン!大会は続くからまだまだサッカー観戦楽しむよ!

もう一つ終わったのが、かねてより受講をしていたオンライン公開無料講座の最終課題。実は6月25日23時59分が提出期限だった。受講した講座は、JMOOC公認gaccoプラットフォームの「インターネット」講座。これがこの記事の本題である。

僕はこの講座の受講に先立ってこんな記事を書いていた。

gaccoで村井純先生の「インターネット」講座を受講する前に、自分とネットがつながった歴史を振り返ってみた。

今回の記事では、受講してみた感想などをレポートしてみたい。

どんなことを学習したか。

村井純教授によるgacco「インターネット」講座は2014年5月19日に開講した。

本コースでは、インターネットについてその構造から社会的意義まで多角的に議論する。基礎技術を始めとして、インターネット上での現在話題のサービス、インターネットが創造したグローバル社会、インターネットの社会的インパクトや生活基盤への貢献など、未来への展望に関する正確で高度な理解を目的とする。
インターネット | gaccoより

インターネットの歴史、技術、思想、運用体制など。知っていたことも知らなかったことも、村井教授の語りでとても楽しく学ぶことができた。「自立分散協調システム」「インターネットの三大発明」「ラフコンセンサス&ランニングコード」「インターネット前提社会」……こんな言葉が突き刺さる。TCP/IPとか、公開鍵暗号とか、「すごい仕組みだなあ」と改めて関心*1

普段仕組みを意識せずに使えるインターネットも、体系的に学習するとクラウド(雲)の「もやっ」としたイメージの中が少しクリアになって面白い。同時に、このシステムを構築してきた人、今現在も支えている人がいることに感謝の思いが湧いてくる。ありがたや、ありがたや。

講座の進め方。ビデオ、ディスカッション、課題。

オンライン講座なのでどこかに集まって講義というのではなく、受講者がそれぞれのインターネット環境から講義ビデオ視聴・ディスカッション・課題提出を行う*2

なお以下の説明は、今回の「インターネット」講座に関しての情報なので、他の講座とは違う部分(課題の回数や形式、相互採点など)もあるのでご注意を。

「インターネット」講座は第1週から第4週までに分かれており、1週間ごとにコンテンツが公開された。

  • 講義ビデオ
    • 1回およそ10分×10回程度のセットで1週間分。字幕付き。講義で使用するスライドはPDFでダウンロード可能。
  • 各週ごとの課題
    • 選択式で各週10問程度。1問ずつ任意のタイミングで各問ごとに3回まで提出可能。
  • 中間課題、最終課題
    • 第2週には中間課題、第4週には最終課題が出される。提出は1回のみ。
  • 課題の提出期限
    • 公開されてから約2週間後。
  • 修了基準
    • 各週の課題、中間課題、最終課題のトータルの得点率70%以上。
  • ディスカッション
    • 自己紹介や議論、質問(課題の正解を直接書くのはNG)できる受講生向けの掲示板。

じっくり講義を見て、それを踏まえて課題に取り組む。必要に応じて、ディスカッションコーナーで議論、質問、または自分でインターネットで調べるなどして解答していく。課題の問題文にキーワードがありヒントになっていたように思う。ネットで調べる(ググる)能力が問われているような気もした。

ディスカッションを見ていると、前半の技術的な内容でくじけそうになった人が多かったように感じる。確かに、課題は選択式といっても選択肢が多くて難しい。情報処理技術者試験のITパスポートや基本情報技術者のレベルよりもう少し踏み込んだ内容かもしれない。でも、資格試験や検定試験と違って、調べたり議論したりする余地はあるし、大学の講座ということなので課題に取り組む過程そのものが学びという感じだった。

MOOCsのこれから。

僕が受けた「インターネット」講座は課題提出が終わったところだが、JMOOCのニュースリリースにこんなのがあがっていた。

JMOOC公認サイト「gacco」の第一弾講座で、受講者の18%が修了、反転学習コースでは80%が修了 | JMOOC | 日本オープンオンライン教育推進協議会

これは、第一弾として実施されていた本郷教授の「日本中世の自由と平等」講座についての修了率データだ。そして、164(@next164)さんのこんな記事も見つけた。

世界の約4倍!日本のMOOC「gacco」の講座修了率がとんでもない

というわけで、日本でのMOOCsはなかなか盛り上がりつつあるみたい。

個人的には、どの程度の内容をコースに盛り込むのか、という設計部分が興味深い。受講者の前提となる知識・経験が異なるので、講座のレベルをどうするか難しそう。でも、多様な人が同じテーマに取り組む「場」が与えられることこそが特長とだと思う。オープンでオンラインで受けられるという間口の広いMOOCsならでは。また、リアルの顔を合わせる「反転学習」はもっと刺激的なものだろうと想像している。

JMOOCのサイトでは、今後の取り組みとして「講座の拡充」「企業との連携強化」「国際連携」を掲げている*3。アカデミックなものだけでなく実践的な講座も増えてきそうだし、修了実積を活かす道も開けてきそうだし、世界を知り世界に知ってもらうチャンスになるかもしれない。こうした取り組みで日本でもMOOCsが認知され受け入れられて、さらに言えば、もっと気軽にチャレンジできるオンライン学習全般が盛り上がっていくことを僕は期待している。

僕はいかに講座に取り組んだか。

受講前は正直見くびっていた。長らくパソコン使ってインターネットしたきたし、人に教えることもあったので「インターネット」講座ならラクラクこなせるだろうと。でも始まってみると、噛みごたえある充実の内容だった。見くびってスミマセン。

この講座の標準学習時間は3時間/週とされており、僕の費やした時間も講座ビデオ視聴+課題調査でこれに近い感じ。ビデオはiPhoneでも見られるけど、メモを取ったり資料を参照したりする都合でMacbookで視聴していた。毎週、課題提出が締め切り間近になってしまったけど、何とか最終課題提出まで期限内に到達できた。

まあ期限に遅れて修了できなくても誰かに怒らえるわけではないけど、やっぱり修了証ほしいよね。あと受講することをブログで堂々と書いちゃったし。それで僕の成績は、中間課題や最終課題で取りこぼしてトータル93%。無事修了できてホッと一安心。なかなか大変な1ヶ月だった。今回は言わば得意分野だったけど、別の分野にもチャレンジできたらいいな。

ここ1ヶ月間、ブログの更新が滞っていたのはパソコンに向かう時間の多くを「インターネット」講座に費やしていたから、という言い訳をしておこう。加えて、サッカーテレビ観戦と重なって忙しかった。日本代表の試合は終わり、大会も決勝トーナメントに入るので落ち着いてブログをガンガン更新できそう。えっ?ウィンブルドンテニスがはじまってる?そうか、まだまだ忙しいなあ……

*1:こういう「すごい仕組み」を感じられる段階になると勉強が捗るように思う。全く別の例だが、個人的には複式簿記がそうだった。

*2:gaccoの他の講座では、対面授業を組み合わせた「反転学習コース」が用意されている講座もある。
gaccoとは

*3:「これからのJMOOC」JMOOCとは | JMOOC | 日本オープンオンライン教育推進協議会