稀勢の里関や高校球児の姿に「感動」する不安

2017年3月26日に千秋楽となった大相撲の春場所。けがをおして出場し続けた新横綱・稀勢の里が、本割と優勝決定戦と2勝して、逆転優勝を決めた。

大相撲春場所 稀勢の里が決定戦制して優勝 | NHKニュース

僕は、もちろん優勝は祝福したいけど、けがは大丈夫かと心配が先にきてしまう。

稀勢の里関は、13日目の取り組みで左肩付近を負傷して救急車で運ばれた。翌朝の記事では、師匠のコメントが。

師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は25日、「本人が出たいと言っている。本人に強い意志がある」と述べ、14日目の25日も出場することを明らかにした。
同日朝、けがの状態を本人に尋ねた田子ノ浦親方は「(痛みが)ましになっている。体も動く。本人も大丈夫と言っている」と語った。
けがの稀勢の里、出場へ=師匠「本人に強い意志」-大相撲春場所:時事ドットコム 2017年03月25日 10時10分

この時点で具体的なけがの程度は明らかではないけど、本当に大丈夫だったのか?残り2日出続けたために悪化させてないか?本人と師匠はもちろん判断しているのだろうけど、専門の医師が関与する体制にはなっているのか?

大相撲の安全管理の体制をよく知らないので、僕の余計な心配かもしれない。今回のけがの程度は出場は問題ないレベルだったのかもしれない。でも、自分の体の感覚や意志による判断でなく、客観的・合理的に将来のことまで考えた判断はあったのかどうか、気になっている。

同じ日に気になったのが高校野球。この時期に開催されている春のセンバツ高校野球の第7日第2試合・福岡大大濠ー滋賀学園の試合は延長15回で決着つかず再試合に。この日福岡大大濠の三浦投手は15回を1人で投げ抜き、投球数は196球。

疲れを感じた八、九回ぐらいには「誰かに代わってもいいかな」と思ったそうだが、腕を振り続けた。次の試合も引き分け再試合になり、仕切り直しの一戦は28日に。再試合も「投げたい」と話していた三浦にとって、1日の休養は力になりそうだ。
15回完投、エースの意地=高校野球・福岡大大濠:時事ドットコム 2017年03月26日20時08分

僕はもう何年も前から高校野球を観るのが辛い。登板数や投球数は本当に心配。先日のWBCでの球数制限の2倍くらい投げてるのでは?しかも連日連投。投球制限なり試合時間の短縮ルールなり日程の工夫なり必要じゃないかなと思う。

以前、スポーツで無理することを心配する気持ちを記事に書いたけど、今もその気持は変わらず。僕自身、全くレベルは違うけど、怪我に苦しんだ過去があるので。

スポーツで無理することについて。

競技者本人の「断固たる決意」は見る者に「感動」を呼び起こすことは分かるけど、競技者の今と将来をケガから守るために、客観的・合理的に必要なときは競技を止めさせるルールがあってほしいなと思う。1人のスポーツファンとして、安心してスポーツ観戦を楽しみたいと願うから。