3.11から4年。インターネット「で」できることを振り返った。

今日で東日本大震災発災から4年たった。今年は「3.11」東日本大震災から4年、「1.17」阪神・淡路大震災から20年。先日このブログではこんな記事を投稿していた。

阪神・淡路大震災から20年。

東日本大震災では、日本国内でかつてないほど広範囲が被災した。そして、多くの人が持っていた携帯電話・スマートフォンなどを使って、かつてないほど細やかで生々しい状況が大量にインターネットで伝えられたように思う。これは阪神・淡路大震災から比べると格段にインターネットが浸透していることを感じさせる。

ネット情報を見て知ったつもりになってはいけないけど、インターネットがあるから知ることができたことも多くあると思う。現地に行かなければできないことは当然あるけど、普段使っているインターネットでできることも増えてきたと思う。

インターネットのない頃はできなかったことが、今回インターネット「で」できるようになり役立っていることは多いと思う。そのすべてを纏めることはとてもできないけど、僕が関心を持った話題を少し書いてみたい。

安否情報、災害用伝言板、Googleパーソンファインダー。

大災害が起こった時に、自分は離れた場所にいても、家族や知人の安否は気になるところ。そこで災害用伝言板サービス。従来から固定電話を使ったサービスもあったけど、携帯電話やスマートフォンなら自分がいつも身につけている端末から直接情報を登録したり確認したりできる。

当然被災状況によっては、携帯基地局が動いてなかったり、自分の持っている端末の破損・故障したりしてインターネットの接続もままならない状況もある。それでも何とかインターネットに接続できれば少しの安心を得たり、与えたりできるかもしれない。

現在、携帯キャリア各社は災害用伝言板の体験サービスを実施しているので試すことができる。また、まとめて検索できるJ-anpiというサービスもある。

最後に挙げたGoogleパーソンファインダー*1は、日本では東日本大震災のときはじめて稼働した。

パーソンファインダーで避難所の手書き名簿をいかに情報共有するかというエピソードが興味深い。

震災発生後の避難所の壁には、手書きで安否を伝えるメモや避難所にいる人の名簿が貼られていた。Googleはこれら安否情報の共有を目指すが、独自の情報収集には限界がある。そこで避難所にいる人に対して、携帯電話などで写真を撮って写真共有サービスPicasaに提供してほしい、と呼びかけた。それに応じて多くの写真がアップロードされた。

この状態では、写真に付けられた避難所の名前で探すことしかできないので、写真内の氏名情報で検索できるよう文字情報に起こしたい。しかし手書き文字は切迫した状況書かれたものでもあり、コンピュータによるOCRでは精度が低い。また、Google内部の人による目視での入力にはリソースに限界がある。そこで被災地以外のインターネットユーザに対して広くボランティアを募り、画像を目で見て文字情報登録をしてもらった。

このプロセスを経て、安否情報を探す人は、人名などによる検索で避難所にある手書きの情報にたどり着くことができるようになった*2

このエピソードは、インターネット的なコラポレーションが起こった事例として興味深い。Googleのチームが震災発生から数日でたち立ち上げて、これに呼応するボランティアも集まった。こういったしくみをスピーディーに構築するためのリソースは遠隔地でもインターネットで確保が可能であり、つながれば誰でも何かの役割を果たせることを示している。

寄付、ファンドレイジング。

インターネットで被災地支援をする選択肢は広がっている。もちろん、被災地支援以外の事でも言えるのだが。

たとえば、あるNPO団体を支援したいと思った時に、インターネットで活動内容を調べて、寄付を送るためのハードルが低くなってきた。ファンドレイジング もスマートフォンで簡単に参画できる。また、大掛かりなものでなくても、自分の小遣いのうち100円からでも取り組める寄付もある。僕の身近なところでいくつか例を取り上げてみる。

LINEスタンプ。

昨年僕も買った復興支援LINEスタンプ「3.11こどもスタンプ」(現在は販売終了)。

東北の子どもたちが描いた「3.11こどもスタンプ」販売開始。売り上げは東北支援のために全額寄付します : LINE公式ブログ

販売価格:
100円 (決済手数料*を除く全額を寄付します)
*アプリマーケット運営会社Apple・Googleや決済代行会社への各種決済手数料
寄付先:
子ども支援国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン
寄付金は、「子どもまちづくりクラブ」をはじめ、東北の子どもたちが復興にむけたまちづくりに取り組む活動をサポートするために活用されます。
スタンプ販売期間:
2014年3月11日(火)~2014年9月10日(水)

僕はiPhoneを使っていてアプリ内課金で購入したので、Appleへの手数料(30%)を引いた70円が寄付されたはず。LINEスタンプは気軽に購入でき、友だちに送ることで拡散もできるので良いしくみだなあ、と思った。

ちなみに、被災地支援団体の多くはインターネットに支援受付の窓口があるはずなので直接寄付することももちろん可能。

Yahoo!JAPANで検索。

今日すぐにできること。おなじみYahoo!JAPANで「3.11」というキーワードで検索すると、検索者数(ユニークブラウザー数でカウント)×10円をヤフーさんが寄付してくれる。昨年はこれで総額25,683,250円を寄付したとのこと。

震災から5年、いま応援できること。 – Yahoo! JAPAN

今回の支援は次の6団体に等分。

寄付について
・2015年3月11日0時00分から23時59分までに、「3.11」というキーワードで行われた検索が対象。この時間帯以外に行われた検索については寄付額算出に含まれておりません。
・「3月11日」「3,11」など、表記が異なるキーワードについては、原則として寄付額算出の対象となりません。
・検索者数はユニークブラウザー数で集計しています。
・寄付金の上限額は昨年実績を目安としています。昨年は合計2,568,325人(ユニークブラウザー数)が当日に「3.11」と検索し、Yahoo!検索は公益財団法人東日本大震災復興支援財団 http://minnade-ganbaro.jp へ25,683,250円の寄付を行いました。
・最終的な寄付金額は3月12日に発表し、4月に、支援先として選定した6団体に等分して寄贈させていただく予定です。

特設サイトのコンテンツも充実。さすが日本のインターネット社会での存在感あり。いつもYahoo!トッピクスにお世話になっている人は是非「3.11」で検索しよう。寄付対象となる検索は2015年3月11日23時59分まで。まだ検索してない人、急いで!既に日付が変わっていたとしても「3.11」検索結果を確認してみよう。

スマートフォンの料金支払いと一緒にできる寄付。

いつでもできる寄付としては、携帯電話の料金と一緒に決済できるしくみがお手軽。100円からできたり、毎月継続できたり、寄付先団体を選べたり。

インターネット前提社会。

「日本のインターネットの父」とされる慶応義塾大学環境情報学部長の村井純教授によれば、インターネットは英語では定冠詞つきのthe Internetであり世界がひとつネットワークにつながっている。そして我々はいま「インターネット前提社会」の出発点にいるのだと言う*3

阪神・淡路大震災が起こった1995年は、Windows95がリリースされた年であり、村井教授の著書『インターネット』*4が出版された年でもある。この20年間のインターネットの歩みを振り返ると、その変化のスピードは凄まじいなあと思い知らされる。

確かにインターネットは前提になってきている。ネットとリアルとの間には境界線はなくて、滑らかにつながっている社会なのだと思う。良し悪しの議論はあると思うが、僕自身はインターネットの未来に楽観的な立場だ。

僕たちは技術的な知識をそれほど必要とせずにインターネットを手軽に使える。これを活用して個人が実現できる事も大きく広がっている。やがて70億の個人が参加して、それぞれがしくみを構築して少しずつ社会を変えていくことにワクワクしている。

*1:このサービスの立ち上がりを含めた経緯については、「東日本大震災と情報、インターネット、Google」というサイトに詳しい記事あり。Google外部からの検証として、林信行さんと山路達也さんがGoogle社員などを取材・執筆・編集した連載。

*2:詳しくはぜひとも元記事をどうぞ。他の記事もインターネットでできることを考える良い材料になると思う。

パーソンファインダー、東日本大震災での進化(2) – 東日本大震災と情報、インターネット、Google

*3:

▼ちなみに、昨年無料のオンライン講座gaccoで村井教授の授業があった(現在は終了)。
インターネット | gacco
▼そして、僕とインターネットの関わりの歴史と、講座受講後の僕の感想。

gaccoで村井純先生の「インターネット」講座を受講する前に、自分とネットがつながった歴史を振り返ってみた。

JMOOC公認 gacco「インターネット」講座の最終課題を提出した件。